流星ワゴン
3日で読みました。
最近読んだ本の中では、文句なくNO1です。
途中何度も涙があふれて、人目のないところで読んでいたなら
大泣きしたかもです。
3組の父と息子の物語。
親であると同時に娘でもある私にとって、心を揺さぶられるものがありました。
私と同い年の母に会うことができたら、私たちは親友になれただろうか・・・。
そういえばずいぶん昔、子供の頃にそんなことを考えたことがありましたっけ。
「逃げていいんだよ。逃げられる場所のあるうちは、いくらでも逃げていいんだ」
「負けてもいいんだ。ずうっと勝ちっぱなしの奴なんて、世界中どこにもいないんだから。
みんな、勝ったり負けたりを繰り返してるんだ」
主人公が中学受験を間近に控えた息子にかける言葉です。
そのときには気づかない人生の大事な場面。
後になってから、あぁ、あれが人生の分かれ道だったんだなぁと気づく、そんな場面。
今を一所懸命に生きることで、大切な分かれ道を見過ごさず、間違えず、通過することができるだろうか。
親や子供、夫や妻、それぞれにきちんと正面から向き合うことで
きっと何かは変わるのかもしれない。
博士の愛した数式
「博士の愛した数式」
小川洋子 著
初めて小川洋子さんの小説を読みました。
好きな文章、苦手な文章に分けると、小川さんの文は私にとっては好きな文章です。
シンプルで優しくて、つつましやかでユーモラス。
読んだ後に暖かい温もりが残る作品でした。
数学が大の苦手な私ですが数の世界の不思議や毅然とした美しさを感じることができました。
とくに『直線』のくだり。
ノートに定規を使って直線を描くとそれは始まりと終わりのある『線分』になってしまう。
そしてどんなに細い鉛筆で書いたとしても幅ができてしまうため、それは正確には面積となる。
『直線』とは面積を持たず、始点も終点もなく、空間のなかに無限に続いていくものだ。
そんな宇宙的な発想にえらく感動しました。
生活をしていく上ではなんら役に立たないことなんでしょうけど、
そういうことを考えることができる人間の力を信じたい気持ちになります。
そして知的な男性に大いに弱い私は、博士の穏やかで愛情深い物腰にうっとりしたりもしました。
この作品は映画化されましたが、個人的には主演の寺尾聡さんと深津絵里さんは作品のイメージにぴったりだと思っています。
特に深津さんは、控えめで思いやりにあふれ、それでいて大胆で頭の良いしっかり者のヒロインのイメージそのものです。
ダ・ヴィンチ・コード
「ダ・ヴィンチ・コード」
ダン・ブラウン著
5月には映画が公開。
そのために、お尻に火がついたような気分で読んだこの本。
面白かった。
面白かったんだけど、いまひとつ文章が映像となってこないのは、私がフランスにもイギリスにも縁がなく、
欧米文化に暗く、キリスト教についての知識がないからかもしれない(全然ダメじゃん!^^;)
なにより久しぶりの外国小説で登場人物の名前が全員カタカナなのに慣れるまでに時間がかかってしまった…。
おまけにところどころで出てくるフランス語(これもカタカナ)にも手こずった。
第二外国語でフランス語をとっていたのは遠い昔、
いまとなれば覚えているのは当時の出席番号(47番)と自分の名前の言い方くらいなものだ。
主人公をDavidのイメージで読んでみようと思ったけれど、
もう何度も映画のCMを見てしまったので、どうしても途中でトム・ハンクスの顔に変わってしまい、
それも困難だった…。
夜市
何回かブログに書いているように、私は本は図書館で借りる主義。
めったに買わない。
なのでどんな本を読んだのか、その本を読んで何を感じたのかを
時間が経つときれいさっぱり忘れてしまう。
なので、誰が書いた何という本を読んだのかくらいは書き留めておこうと思い
日記に書いておくことにした。
感想などというものではなく、間違えて同じ本を借りないようにするためのメモ程度のもの^^;
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
「夜市」
恒川光太郎 著
第12回日本ホラー小説大賞受賞作である「夜市」
そして書き下ろし小説の「風の古道」
どちらも面白い(『面白い』という言葉が適切かどうかはわからないけれど…)
「夜市」は絶対子供は読まない不思議な絵本のようだった。
挿し絵など1枚もないのに、読み終わるとまるですべてを映像で見たような気分になる。
印象的な作品だった。
「風の古道」
この作品にも独特の世界がある。
ホラー小説というジャンルでありながら、そこには「日が当たれば影ができる」ようにしっかりとした現実感がある。
2作とも、悪魔やゴーストのようにバタ臭いホラーではなく、妖怪やよろずの神々、鬼、狸や狐などのように、
私たち日本人には昔から馴染みのある恐怖だ。
もしかしたら小さい頃に聞いたことがあるお話かもしれない、そんな懐かしささえ感じられる場面も多い。
それでもストーリーは斬新で、とくに「夜市」はラストまで読んだら、すぐにもう一度読み返したくなるようなオチがある。
この本を読むと、歪んだ異次元の世界をかいま見ることができるだろう。
| HOME |



